秋の自然遊び、子どもに与える良い影響と気を付けることは?
子どもの健やかな成長のためには、ぜひたくさん経験させてあげたい自然遊び。
ですが、都会に住んでいる世帯は「遠くの山や川に出かけるのは大変」「毎日忙しくてゆっくり遠出する時間がない」などと諦めがちではないでしょうか?
でも、コンクリートやビルに囲まれた都会の中でも自然と触れあえる場所はちゃんとあります。
見方を少し変えるだけで、子どもに様々な経験をさせてあげられるだけでなく、一緒に遊ぶご両親自身も新たな自然の姿や物事の見方を発見できるでしょう。
もちろん、自然が豊かな場所で暮らしているご家族ならなおさらです。
今回は「自然遊び」に関するよくあるご質問やご心配にお答えする形で、自然の中でのびのびと遊ぶ方法や、子どもへの良い影響、気を付けたいことなどを解説いたします。
Q.子どもと自然遊びをしたいけど、自然と触れ合える場所がない…
見渡す限りのコンクリートジャングルのように見える都会でも、自然遊びができる場所は意外とあります。
たとえば街路樹や植木。特に秋は葉っぱがはらはらと舞い落ちる様子を観察したり、落ち葉を拾ってそれを道具にして遊んだりと、いろんな楽しみ方ができます。
ただし、街路でそのまま遊ぶのは危険なので、葉っぱを家に持ち帰って形の違いを比べてみたり、スケッチしてみたりと、芸術の秋ならではのアートな遊びを教えてあげると良いでしょう。
もちろん気兼ねなく遊べる公園なら、その場でのびのびと楽しめます。
Q.自然遊びは子どもにどんな影響があるの? メリットは?
自然遊びは子どもに様々な良い影響を与えてくれます。
生きた植物や虫などに直接触れることで、世の中にはたくさんの命と形があること、自分もその一員であることが学べるからです。
これは、プラスチックなどの無機質なオモチャからは学びきれない大きな気付きです。
たとえば、大切に持ち帰った葉っぱが色あせて枯れてしまうこと。
元気に動いていた虫があっさり死んでしまうこと。
ただ楽しいだけでなく、そうした命の儚さにも触れることで、命の大切さや多様性を知ることができます。
また、自然に直接触れることで感じられる匂い、手触り、心に残る想い出などは、机の上の勉強からは得られない生きた体験となります。
感受性を豊かにしてくれるだけでなく、他人を尊重する心や、思い通りにいかない状況を耐える力まで伸ばすことができます。
Q.自然遊びの経験がないから、子どもとどう遊べばいいのか分からない…
ご両親の都会暮らしが長かったり、出身地が都会だったりすると、そもそも自然の中でどう遊べばいいのか戸惑ってしまいますよね。
そんな場合は「単に遊び道具が変わっただけだ」と発想を変えてみましょう。
たとえば室内でオモチャを使って遊ぶときは、どんなことをしていますか?
可愛い人形や戦隊ヒーローの武器などを使った「ごっこ遊び」を、葉っぱやどんぐりなどに置き換えてみましょう。
大きさを「強さ」に見立てて戦ってみたり、形や色の綺麗さを競ってみたり。
また、お絵描きをする感覚で並べてみるのも楽しいかもしれません。
なるべく大きいものや、綺麗なものを探す競争もできます。
知らない植物や虫が多い場所では、「名前当てゲーム」や「名前付けゲーム」などで発想力を伸ばすのもおすすめです。
後から本当の名前を図鑑などで調べて、改めて学ぶ楽しみもあります。
Q.自然に興味のない子や、虫が苦手な子はどうすればいい?
「虫がこわい!」「土で汚れるのがイヤ!」
こうした自然遊びが苦手な子も中にはいます。そんな場合は無理に遊ばせなくても、ただ公園のベンチや東屋でのんびりと過ごしたり、お気に入りのオモチャや遊び道具を持ち込むと良いでしょう。
暖かさや肌寒さ、吹き渡る風など、自然の心地よさを肌で感じながら遊ぶだけでも大きな経験になります。
絵本が好きな子なら、植物や動物をテーマにした絵本を読むうちに、絵本に登場するものが目の前にあることに気付いて興味を持ってくれるかもしれません。
また、面白い形や可愛い形をした植物を「これは何かな?」と示して興味を持たせる方法もあります。
秋なら綺麗な紅葉やフワフワとしたエノコログサ、お米の穂を大きくしたようなコバンソウなどがあります。絵のように並べたり、くすぐり遊びをしたり、分解して仕組みを知るなどして、自然遊びのきっかけにできます。
Q.自然遊びで気をつけることは? ~危険やケガを防ぐために~
楽しい自然遊びですが、それがケガや危険のきっかけとなってしまったら元も子もありません。
子どもの自由な遊び方を尊重しながら、以下のことには気をつけるようにしましょう。
・危険な遊び方をさせない
石を投げる、先が鋭い木の枝を振り回すなどの遊び方は、子ども自身だけでなく、他人にまでケガをさせてしまう恐れがあります。
こうした物や遊び方に興味を持ってしまった場合は、あらかじめ「してはいけないこと」として言い聞かせるようにしましょう(投げたり振り回したりしない、持ったまま走らない、など)。
ただし、言い聞かせるだけでは「なぜ危ないのか」が理解できないことがあります。
そこで、投げられた石が頭に当たるような仕草をして「痛い!」と言ってみるなど、実演してみせると良いでしょう。
・目の届く場所で遊ばせる、暗くなりはじめたら早めに帰る
自然遊びに限らない注意点ですが、夢中になるあまり、勝手に遠くに行ってしまったり、暗くなっても遊び続けることがあります。
目の届く範囲で遊ばせるようにして、特に日の短い秋は早めに切り上げるようにしましょう。
手元が暗くなることによって起きるケガや、迷子になってしまう事態を防げます。
いかがでしたでしょうか?
自然遊びは子どもの豊かな感性を育んでくれるだけでなく、知らないことを知る喜びや、思い通りにならないことへの対応力なども学ばせることができます。
また、子どもの自由な発想による遊びを大人も一緒に楽しむことで、「大好きなパパやママに共感してもらえた!」「愛されている」といった満足感も与えられます。
季節のうつろいを身近に感じられる秋は、自然遊びに最適な季節。活動的に、または芸術的に、様々な遊び方を親子で楽しんでください。
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